10年くらい前から数年ごとに買いかえつつ愛用してる「東京メトロマップ」
メトロマップといいつつJRや私鉄の路線も書いてあるから「首都圏の電車&地下鉄マップ」です。
地下鉄路線図といえば、これより小さいサイズのもの(といってもポスター大のカレンダー付きのもの)が地下鉄駅のホームに貼ってあるのをよく見ます。
そちらは都心部だけなのですが、こちらは郊外まで含んだ拡大版で、大きさも倍。
なんと 縦100センチ、横145センチ と巨大です(いわゆる B0 サイズ)。
私がこれを使い始めたのは、マーケティング関連の仕事をしていて、毎日あちこちの街の店舗調査をやってた時でした。
明日は○○町と○○駅前、それに○○公園のそばの店を訪問予定・・・と一日に複数の場所に行かねばならず、
自分の家から、もしくはオフィスから、どの順番にどう廻るのがもっとも効率いいのか、最適ルートを考えるのにこの地図があまりに便利だったので、
その巨大さにおののきながらも家の壁に貼って使っていたのです。
そんなんヤフー路線で調べればいいと思うかもしれませんが違うんです。
ネットのサービスは現在地と目的地を決めないと行き方を教えてくれない。「明日 4ヵ所まわるのだけど、どういうルートがいいかな」はわからない。
しかも「A地点からB地点へは地下鉄で移動。その後は降りた駅には戻らず、別の駅まで歩いて別の路線に乗って C地点に向かったほうが早い」
みたいな柔軟な案内も、この地図なら思いつけるけど、ネット検索には期待できない。
他にも様々な点で、この地図はネット上の路線案内より遙かに便利です。
というのもこれって、本当の地図の上に地下鉄や私鉄、JRの路線図が書いてあるんだよね。
いわゆる路線図と言われるものの多くは路線だけがイラストふうに書いてあって、本当の縮尺の地図の上に路線が書いてあるものはすごく少ないんです。
だから地下鉄の路線案内には便利でも、総合的な最適ルートがわからない。
たとえばヤフー路線で目的地までの行き方を調べると、機械的に「最寄り駅」までのルートが検索されます。
でも実は都心だと、最寄り駅を目的地にすること自体が正しいとは限らない。
「私の家からだと乗り換えてまで最寄り駅を目指すより、目的地からはちょっと離れてるけど自宅から乗り換え無しで行ける別の駅まで行き、そこで降りて歩いたほうが早いかも」とか
「この駅でおりると幹線道路沿いだから、すぐタクシーがつかまるはず。何度も乗り換えて最寄り駅まで行くより、最後はタクったほうが早そう」みたいな場所もたくさんあります。
そういう裏ベストルートがすぐ見つけられるのは、道路も書いてあり、かつ正しい縮尺の地図の上に路線図が描かれてるこの地図ならではの便利さなんです。
あと私はよく「地下鉄から JRへの乗り換えは面倒だからヤ。地下鉄だけで行けるルートはないの?」って考えるんだけど、こういうのもヤフーの路線検索では指定できない。
複雑すぎる駅が嫌いなので「渋谷と品川での乗り換えは避けたい」とも思うのだけど、そういう条件設定もネットでは無理。
大手町には、同じ大手町駅とは言えないくらい離れてる駅もあるんだけど、そういうのも「それぞれの駅のある場所」がリアルな地図の上に書いてあるから、
「あっ、これはダメ。乗り換えに時間かかりすぎわ」とすぐわかる。
バス路線の検索の時にも便利ですねー。
だってバスって、そもそもどこを走ってるかがわからないと検索もできないけど、この地図だと「こんな大きな幹線道路なんだから、絶対バスが走ってそうだ」って推定でき、検索のヒントが見つかるんだよね。
東京西部では特に、南北の移動にバスを使うとすごく便利だったりするんだけど、地下鉄の駅と環七や環八などの幹線道路がどういう位置関係にあるかがわからないと、土地勘ならぬ「バス勘」が働かない。
郊外型の大型ショップには、「○○駅からシャトルバスがでてます」みたいなアクセス案内も多いけど、
あの「シャトルバスが出てる駅」って必ずしもその施設の最寄り駅ではありません。
シャトルバスは「駅前にバスの発着場所が確保でき、多くの路線が乗り入れてる駅」から出てるから、距離だけでいえば二番目や三番目に近い駅だったりするんです。
だから時間を節約するため本数の少ないシャトルバスなんて待たずにタクシーで行きたい場合とか、健脚なんで1キロくらい歩けるよという場合は、シャトルバスがでる駅以外の駅を使ったほうが早かったりする。
そーゆー「ホントの最寄り駅」を探すのもこの地図なら簡単。
つまりこの地図では、「実質的な最適ルート」が視覚的にわかるんだよね。
「徒歩でいくのか、車でいくのか、電車でいくのか」という移動手段を最初に選ばないといけないネットの路線検索より遙かに有機的に理解できる。
だから「ちょっとぐらい歩いてもいいし、タクシーを混ぜてもいいから、とにかく早く行きたい」人にはとてもありがたい。
加えて、都心部ではよく電車が止まります。人身事故だったり、ラッシュで気分が悪くなった急病人だったりとね。
大事な仕事に向かっているときは電車がとまるとパニックしそうになるのですが、前日にこの地図でルートを確認しておくと、
「この場所からなら、距離的にはそんなに遠くないから歩けるかも」とか、「たしかちょっと歩いたら別の私鉄の駅があった気がする」といった機転も利くようになります。
というわけで、取材や営業、店舗調査などで都内・郊外をあちこち移動される方には必携!のお役立ち地図。
地方の会社で、社員がよく東京に出張するという会社にも便利なんじゃないかな。
災害対策として、「会社から家まで歩いて帰ることになったらこのルートだな」とか
「家族が昼間にいる場所を全部プロットしておいて、何かあったらここで合流しよう!」と話し合うにも便利ですよ。
親は東京の東部で働いてるけど、子供は西部にある学校に通ってる、みたいな場合、こういう広域地図じゃないと、集合場所を決めるのが難しいでしょ。
歩くのにわかりやすい幹線道路はどこかとか、逃げ場になりそうな公園も一目でわかるし、川も載ってるんで「大雨の時、ここは通らないほうがいい」とかもわかる。
(↑行き先に関するメモをポストイットで貼ったりしてます。超アナログ)
引っ越しを検討する時にも便利ですね。
住所も多くの場所で「何丁目」まで書いてあるので、私はよくポストに投げ込まれてるマンションのチラシを見ながら「ここで 5千万かー」とか言って確認してます。
転職したときに新しい会社の位置を見ながら、どの路線のどの辺に住むべきかと考えるのも、こういう広域地図を使うのがイチバン便利。
JRって私鉄より遙かに速いので「東京駅まで快速 15分!」と書いてあっても、地図上で見るとめっちゃ遠かったりもするんですが、そういうのもすぐわかる。
共働きの時、どこに住むのが2人にとって最も公平かとかも一目瞭然よ。
友達とどこかに遊びにいく時、待ち合わせ場所を決めるのにも役立つ。
ネットの路線案内だと、自分の家から目的地、友達の家から目的地というふたつのルートを何度も入力し、試行錯誤しないとわからないのに、
この地図だと「この駅で待ち合わせにすれば、○○ちゃんも一回乗り換えでこれるし、あたしも一回乗り換えじゃん。じゃっ、ここで合流しよう!」とすぐに決められる。
ふたりで同じ駅を目指さなくても、「あたしの家からは A駅まで乗り換えなし。友達の家からは B駅まで乗り換えなし。そしてこの地図で見る限り、A駅から B駅って歩ける距離だよね」って分かれば、
待ち合わせ場所を駅と駅の間のコンビニに設定したりもできる。
★★★
ですが唯一の問題は・・・・とにかく“ばかデカい”こと。
Bゼロサイズで、縦が 1メートル、横は 1.5メートルセンチ近くもあります。
壁に貼ってますが相当の存在感。てか、そんなデカイもの、うちには貼る場所がないという人も多いと思います。
ほんとは個人ではなくオフィスに貼るべきものだからね。
値段は1500円( 2011年当時 2018年現在は 2000円)。
たぶん毎年 3月くらいの状況をベースに更新して作られており、夏くらいまでは売られてますが、その後、売り切れると翌年版がでるまで待つ必要があります。
買えるのは地下鉄主要駅の定期券売り場(メトログッズ売り場)。巻いてあるけど持ち帰りさえ大変なので、いつもラッシュに遭わない時間帯に買いに行きます。
2018年の追記) 今はネットでも買えるみたい。ネットで買うと特別配送料 1000円がかかるので、都内の人なら主要駅で買ったほうがいいかも。
↓
首都圏 大型路線図
地下鉄路線も乗り入れ状況などが細かく変わるので、私も数年ごとに買い換えてます。
ほんと便利!