久しぶりに成田空港から東京駅行きのリムジンバスに乗ったのですが、相変わらずひどい場所で降ろされてガッカリした。
「海外からの観光客を増やす!」と息巻いてる割に、日本イチの空港から日本イチの駅への、メインの移動手段のひとつがこの有様ってどーなんですかね?
「東京駅行き」のリムジンバスが乗客を降ろすのは八重洲側で、しかも東京駅とは大きな通りを隔てた反対側にあります。地図だと下記の場所。
→ 成田空港リムジンバス 東京駅 乗降場所
ここってほんとーに何にもない場所で、バスは単なる道路の路肩に止まり、客荷物と一緒には歩道上に降ろされるんです。
近くにはタクシー乗り場さえ無く、バスから降りた客は個々に流しのタクシーを捕まえることになります。でっかいスーツケースを持ってね。
東京駅は外堀通りという大通りを挟んだ反対側で、駅に行くにも 50メートル以上の横断歩道を渡る必要があります。
カートも使えないのに複数個のスーツケースを持って、時には小さな子供を連れて、こんなところで降ろされる海外の旅行客は本当に大変。
降りたところは路上で、バス停の上に簡単な屋根があるだけなので、雨の日には荷物と一緒に雨ざらしになります。
パラリンピックの時には、車椅子や杖の人たちにも、あの長い横断歩道を渡らせるつもりなんでしょうか?
日本人で東京在住で、「あそこが東京駅だ」と知ってる人には、方向も、また地下道があることもスグわかりますが、
海外から初めて成田に着き、「とりあえず中央駅である東京駅に行こう!」と考えた人は、バスから降りて「へっ? これどこ?」状態でしょう。
空港から直接、日本最大のターミナル駅行きのバスに乗ったのに、なんで道端で降ろされるのか合点がいきません。
今日は海外からの旅行客、男女 2人組がタクシーの運転手と窓越しに拙い日本語で話してて、
運転手の人は明らかに「???」な感じだったので、英語で「どこに行かれるんですか?」って聞いたら、
「カナザワ イク」って・・・
「へっ?? 金沢? タクシーで???」と思って話を聞いたら、
「金沢に行きたいのだが、鉄道は高いと聞いたのでバスで行きたい。バス乗り場をタクシーの運転手に聞いたが知らないと言われて困っている」とのこと。
まとめていえばそういうことなんですが、この状況を理解するまでも大変でした。
私は最初、彼らがタクシーで目的地に行こうとしてるのだと思ったので、まさか金沢は間違いだろうと思い、「本当にカナザワですか? カナガワじゃなくて??」と確認。
その回答は「ぜったいカナザワ。ナゴヤ、オーサカ、トヤマ、カナザワ!」とか言ってて、混乱が拡大。
私が「金沢は、めっちゃ遠いんですよ。わかってます? 普通は飛行機で行くような場所ですよ!?」って聞いたりしながら、いろいろ確認してようやく、本当にカナザワに行こうとしてるんだということ、新幹線は高いと聞いたので高速バスの乗り場を探していることを理解しました。
ここまで 5分以上。
今日はヒマだったので手伝ったけど、あたしも急いでるときなら、ここまで親切にはできないです。なんで、ここに案内所がないの??
高速バスで金沢とか言われても(タクシー運転手がわからないのはもちろん)私にも路線があるかどうかさえわからないので、
とりあえず、東京駅にあるJR高速バスのインフォメーションの場所を教えてあげたのですが、
大きなスーツケースをふたつも持って、ものすごく広い道路を渡るための横断歩道(信号)はかなり先。。。
「なんなの、この国!?」って、彼らが思ったかどうかは知りませんが、あたしは思いました。
だいたい、成田と羽田が一体化してれば、この人だって、海外→成田→金沢(小松空港)に飛行機を乗り継いだんじゃないかな。
でも、国内線に乗り継ぐには成田から羽田への移動が必要で、そのリムジンバス代がなんと 3000円!
お金だけでなく時間もかかります。再チェックインも必要で、同一空港での乗り換えとは異なり、預けた荷物も自動的に運んでくれたりはしません。
もうね、「日本の地方都市に行くなら、次からは成田を使わず、韓国のインチョン経由で乗り換えたほうがいいですよ。そしたら同じ飛行場で国際線と国内線に乗り継げて、とても便利ですから」って教えてあげたくなりました。
加えて、彼らがタクシー運転手にバス乗り場を聞いたのは、「大きな都市には長距離のバスターミナルが存在していて、それはとてもメジャーな場所なので、タクシー運転手がその場所を知らないはずはない」と考えたからです。
まさか日本という国では、高速バスは(東京駅でも新宿駅でも!)たんなる大通りの路肩で乗客を乗せたり降ろしたりしてるのだなんて、想像もしなかったことでしょう。
帰宅後に調べてみたところ・・、東京駅から金沢へのバスはあるみたいだけど、「東京駅鍛冶橋駐車場発」とか、彼らに見つけられるのでしょうか??
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しかも新宿発のほうが多そうだし、深夜発も多いようなので、昼間に八重洲に着いた彼らにとっては長い旅になりそうです。それなのに、路肩で客を乗せてるバス会社には、常設の待合室さえありません。
加えて私が彼らに教えたのはJRバスのインフォメーションセンターなので、そこで他のバス会社の情報も得られるのか否かもわからない・・・旅行者の皆さん、こんな酷いおもてなしの国に来ちゃって本当にかわいそう。
日本は世界有数の鉄道国ですが、「長距離移動と言えばバス」という国のほうが世界には多いので、先ずはバスに乗ることを検討する海外からの旅行客はたくさんいるはず。
成田空港から東京駅行きのリムジンバスに乗った外国人は、降りたら東京駅の大きな中央ホールが目の前にあり、そこにはツーリストインフォメーションやカフェやトイレやいろんなきっぷ売り場がある、当然 wifi もつながって、金沢行のバスのチケットをどこで買えばいいのかなどは、その場でネットで調べられる、と想定してたのではないでしょうか。
ところが、日本で一番大きな国際空港からの乗客を運んでくるリムジンバスが、単なる道路の路肩で客を降ろす・・・もちろん wifi も使えない。
東京オリンピックまでには抜本的な解決が図られるものだと信じたいけど、それまでだって、せめてあそこに誰か外国語のできるスタッフを常駐させ、仮設のインフォメーションデスクでも置いたほうがよくない?
成田空港から東京駅に着いた旅行客の最終目的地は、多くの場合、東京駅ではありません。
それなのにあんなところで降ろされたら、日本人でも東京在住者以外は右往左往すると思う。次にどこに行けばいいのか、全然わからないもん。
↓どうやら新宿行きのリムジンも同じ状態らしいし。。。
ほーんと、外国からの旅行客に優しくない国だよね。