国立新美術館でやっていた「没後120年 ゴッホ展」を観てきました。ゴッホが画家になろうとしてから37歳で自殺するまで、絵を誰に習ったり、何で勉強したり、また、誰に影響を受けながらあの独特のタッチを開発していったか、という絵の技法の習得ヒストリーに焦点を当てた展覧会でした。
それにしても、平日の午後4時半から6時という、働いている人も“夕食を作る必要のある主婦”も行けない時間帯を狙ったのにあの人の数はすごい。一応ちゃんと観賞できましたが、土日しか行けない人は(これには行かずに)オランダまで行ったほうがいいくらいです。
ゴッホは生きてる間は評価されてなくて、死の数年後から評価が高まるわけですが、今回の展覧会を観て「そりゃーそーよね」と思いました。
なぜなら、自殺の1年半ちょい前くらいからの絵が圧倒的にすばらしいんだよね。それまでも巧いけど、あの「テレビで観てもわかるすごさ!」みたいな絵は、アルルに渡ってから描かれてる絵ばかり。てか、精神病院に入ってからの絵の方がすごいよ、くらいの勢いです。だからそれらの絵が世の中にでてきて初めて「すごい!」ってことになったのはよくわかる。
ちきりんはオランダのゴッホ美術館、アルル、サン=レミ、オーヴェール=シュル=オワーズと、あちこち行ってみてるんだけど、どこもまた是非行きたいなーと思います。来年は欧州美術館巡りの旅を実現するぞー!!
おほほほほー
★★★
今回の展覧会でよかった絵の記録
1位:サン=レミの療養院の庭
(すごい迫力・・・枝先への筆の置き方に全身全霊をかけてる感じです)
2位:ある男の肖像
(背景の黄緑色のなんともいえない不安定さがめちゃ素敵)
3位:種まく人
(斜めに横切る太い木の構図と、農夫の動作の描写が大胆でインパクト大)
4位:花瓶のヤグルマギクとケシ
(ケシの赤色がすばらしい!)
その他いろいろ
・ゴーギャンの椅子
・アルルの寝室
・じゃがいものある静物
・カフェにて(「ル・タンブラン」のアゴスティーナ・セガトーリ)
・灰色のフェルト帽の自画像
・糸杉に囲まれた果樹園
・緑の葡萄畑
・仰向けの蟹
・草むらの中の幹
・アイリス
ゴッホ以外の画家の絵でよかったもの
・白いグリフォン犬 (アドルフ=ジョセフ・モンティセリ)・・・すごいインパクトですよ、これも。
以上