東北新幹線に乗って、
福島まで行ってきたのは、
若冲展が見たかったからです。(展覧会は既に終了)
平日だというのにスゴイ列でびっくり。
あたしの後ろに並んでた人は、なんと大分県から来られてました。
それくらい貴重な作品が展示される、ハイレベルの展覧会だったのです。
この若冲展、アメリカのアート収集家の方が、私有のコレクションを福島に貸し出してくれたため実現しました。
前評判に違わず、作品としては「ありえないくらい素晴らしい作品」ばかり。
絵の前から動けなくなるほどの名作もありました。
若冲はいまでこそ日本でも大人気ですが、幕末、明治の頃には日本人の多くがそれらの価値に気づかず、他の多くの名作浮世絵と同様、欧米コレクターの手に渡ってしまいました。
今でもボストン美術館には、国宝レベルの浮世絵が多数、展示されています。
今回のコレクターの方は個人で若冲を収集した方の息子か孫で、普段はカリフォルニアの私設美術館でそれらを保存されているとのこと。
いままでどこの美術館にもほとんど貸し出してこなかったらしいのですが、なんと今回は、
「福島にこれだけ貴重な絵を貸し出せば、日本の多くの人が若冲の作品を観たくて福島を訪れるだろう。そうすれば、福島=放射能で危ない、という風評被害の打ち消しに貢献できる」と考え、福島に貸し出そうと決められたのです。
いやー、ありえないよね。
すばらしい判断じゃない?
若冲の作品は保管も運搬も高度に気を遣う必要のある繊細な素材の作品が多く、海の向こうからはるばる日本に貸し出すのは、すごく勇気の要ることだったと思います。
しかも、アメリカでだって「福島は危ない」という風評がまだ強い時期。
そこに貴重な美術品を貸し出すことで「作品も汚染されるのでは?」といった風評被害もありえたと思うんです。
そんな中「これだけの一流作品を貸し出せば、きっと多くの人が福島に来てくれるだろう。アートの力を利用すれば、風評被害を少しでも減じられる」と考え、貸し出された収集家の方の決断。
若冲の作品もすばらしかったけど、この収集家の判断にもほんどうに感動しました。
★★★
若冲を堪能したあとは、福島市内を観光しました。
除染に関しての注意書き
福島市を流れる阿武隈川。ゆったり大きな流れがとてもきれい
川沿いの公園なども緑が多くてすばらしい景色だけど・・
あちこち除染中で立ち入り禁止
いろいろ考えさせられる旅行でした。