日本における韓流ドラマブームの起点といえば、冬ソナです。
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なんですけど、ちきりんは何故このドラマがあそこまでのヒットになったのか、未だによくわかっていません。確かに純愛モノとして、キレイで儚くて・・・だけれども、他の韓国ドラマとそんなに違いますかね?
ペ・ヨンジュン氏の人気も、他の俳優の人気を圧倒していて、おそらく稼いだ額も(ヘタすると)ケタが違うんじゃないかと。いったい彼の何が、他のイケメン俳優と違っていたのでしょう?
ちなみにペ・ヨンジュン氏の作品の中で、ちきりんが一番(彼が)かっこいいと思うのは、ホテリアーです。全体のストーリーも冬ソナよりよほど面白いと思いますけどねー。
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そして、ちきりんが彼の作品で一番好きなのがこちら、かなり古くて、1999年に作られたテレビドラマ「愛の群像」です。一時期、日本のテレビにも出ていたユンソナもヒロインのひとりです。
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このドラマ、エンディングも悲劇だし、他の時代の韓国ドラマとはちょっと雰囲気が違っています。なぜなら、1999年だと、韓国はまだIMF危機から立ち直っていないから。
この時期の韓国ドラマはどれもこれも非常に興味深く、見ているとビビッドに「IMF危機のような国家危機、財政破綻が起こると、社会はどうなるのか?」がよーくわかります。
韓国ではあの頃、それまで盤石と思われていた財閥系の大企業が次々と経営破綻に瀕し、その一方で、海外で成功したベンチャー企業が大きな力を持ち始めていました。
ウォンの暴落により、韓国でいくら蓄財していても意味がなかったのです。ドルにしか価値が無くなってしまったあの頃の韓国の状況を反映し、いつもなら“財閥の御曹司、お嬢様”が登場するのに、このドラマに出てくるお金持ちのお嬢様は、「父親がアメリカで起業し成功」という設定になっています。
前に、こちらの↓エントリにも書きましたが、
「IMF危機下の韓国ドラマからわかること」
国家が財政危機に直面すると、社会は、
・やたらと民族の団結をうたい
・家族の愛情を確認しあい
・プライドをずたずたに破かれる悔しさを、末代まで忘れじ!と、繰り返し確認します。
「愛の群像」は、極貧に生まれ、その上、母に捨てられた青年が必至で勉強して働き、お金持ちの女性を捉まえようとしながら、途中でホンモノの愛に目覚め、野望より愛に生きようとしたその矢先に病に倒れ、若くして死んでいく、という物語です。
この物語を、ハッピーエンドにして放映できなかった1999年の韓国を思うと、心が痛くなります。苦しい時代なんだから、ハッピーエンドのドラマを流すべきって思うでしょ?
でもそうじゃなかったんでしょう。ハッピーエンドの物語りなんて「白々しくて受け入れられないほど、暗い社会、絶望的な時代」というのもあるわけです。
貧しい人が、必至で頑張って、それでも理不尽にまみれて不幸に死んでいく・・・日本でも、こんなドラマが作られる日がやってくるんでしょうか?
大変でござんすよ。
おほほほほ